我が軍のいたらぬところを教えてください。
関ヶ原の戦いが東軍勝利で終わり石田三成が捕えられると、大津本陣の門前に座らされた三成に多くの大名たちは侮蔑した態度をとりました。
三成の軍勢と激しい戦いを繰り広げていた高虎が三成に近づくと、
「この度の合戦での石田隊の戦いぶり、敵ながら実にお見事でした。貴殿の目から見て我が軍のいたらぬところを教えてください」と謙虚に教えを請いました。
感動した三成は高虎に、鉄砲頭の身分が低いように思えたこと、鉄砲頭を高い身分に引き上げることなど、気づいたところを教えました。
この助言に感謝した高虎は、鉄砲頭に千石以上を与えることを家訓としました。
仕事やプライベートで、いたらぬところはたくさんあります。そのいたらないところは、現状から何かを変えなければ改善しません。
しかし人は変化を嫌い、無意識に自分にとって一番快適な領域で生きるという性質があります。現状を変えたいと思っていても変われないのは、心が変化を嫌っているからです。
人は不安や心配がない、自分にとって居心地のいい領域を意識の中に作り出しています。慣れ親しんだ領域をコンフォートゾーンといいます。
コンフォートゾーンにいるときはリラックスした状態で力を発揮しやすいため、良い変化、悪い変化の前に、とにかく変化「自体」を嫌い、自分で狭くしたコンフォートゾーンにしがみついている人もいます。
新しいことに挑戦するようなときはコンフォートゾーンから出るといわれますが、変化しないための理由は自分も納得しやすく、居心地がいいのでコンフォートゾーンから一歩踏み出すことはとても難しいことです。
七度も主君を変えた高虎のように自分の役割を確信している人は、どんなことが起きても、判断に迷うことがないため、何をしても圧倒的に強いです。高虎はコンフォートゾーンを飛び出す挑戦を続けていたのではないでしょうか。
コンフォートゾーンから出るということは、新しいことに挑戦する不確かなことなので、
不安や恐怖はあるかもしれませんが、その新しい不安に慣れてしまえば、コンフォートゾーンを広げることができます。
コンフォートゾーンから定期的に出ることで、初めてすることが失敗しても、それすら楽しむことができるようになります。
コンフォートゾーンを広げて、どんな結果が起こるのかを楽しみにしてみませんか。
戦国武将の名言集に戻ります。
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