肝要のところに気を配れ。どうでもよいところに気をつけるものではない。小板葺きにして立派になっても、百姓が疲れきっているようでは、使者は国主の政治が良くないことを見抜くだろう。
使者になるほどの者は、様々なことに気付く者だ。途中、当国の地を通って風俗、生活を見て、富み栄えているか、城門が粗末であろうと何の問題もない。むしろ、城門は立派なのに民衆が疲労している方が問題だ。
戦国大名・島津義久の言葉は、経営や組織運営においても重要な示唆を与えてくれます。リーダーが本当に注視すべきことは何か、どこにリソースを投下すべきかを的確に判断することが求められます。本記事では、この名言をリーダーシップの視点から深掘りし、現代にどのように応用できるのかを考察します。
島津義久の言葉の背景
島津義久は戦国時代の薩摩の大名であり、島津家の勢力を九州全域へと拡大させた名将です。彼の言葉には、戦乱の時代において、いかに冷静かつ合理的な判断を下し、持続可能な統治を行うべきかという哲学が込められています。
特に、「城門が立派であろうと、百姓が疲弊していては国が成り立たない」という考えは、見た目の華やかさよりも、民衆の生活を豊かにすることの重要性を説いています。これは、組織運営においても、本質を見極めることの大切さを示唆しています。
リーダーシップに必要な「本質を見極める力」
リーダーの価値観: 何が本当に大事なのか?
現代の企業経営においても、表面的な成功(派手なオフィス、広告、見栄えの良い施策)ばかりに注目し、実際に働く社員の負担や業務の効率性が無視されてしまうケースは少なくありません。
リーダーとして重要なのは、「何が本質的な価値を生むのか?」 を見極める力です。例えば、
- 顧客の満足度を上げることが売上につながるのか?
- 社員の働きやすさが生産性向上に貢献するのか?
- 短期的な成果ではなく、長期的な成長を優先すべきか?
このような視点を持つことが、組織全体の持続的な成長につながります。
優先順位の設定: 重要なことに集中する
「緊急で重要度も高い仕事」は誰でもすぐに取り組みます。しかし、緊急ではない仕事の中にこそ、本質的に重要なものが隠れていることがあります。
例えば、
- 社員教育の強化(すぐには成果が見えにくいが、長期的な利益を生む)
- 社内の業務フロー改善(一時的に工数がかかるが、効率化を促進する)
- ブランド価値の向上(短期的な売上には直結しないが、企業の競争力を高める)
リーダーとしては、目の前の業務に追われるのではなく、「本当に価値のあるもの」に焦点を当てることが求められます。
やるべきことを後回しにしない
リーダーシップにおいては、「やりたくない仕事から逃げない」姿勢も重要です。
誰しも、やりたくない仕事を後回しにしがちです。しかし、それを先延ばしにすることで、結果的に重要な仕事が滞り、組織全体に悪影響を与えることになります。
「やらなければならない仕事に対して、どうすれば効率よく終わらせるか?」
これを考えることが、結果として生産性向上につながります。無駄な作業を削減し、本質的な業務に集中することで、組織全体のパフォーマンスを高めることができるのです。
まとめ: 島津義久の名言を現代に活かす
島津義久の言葉は、時代を超えて現代のリーダーシップにも通じるものがあります。
- 本質を見極める力を持つ → 表面的な成功に惑わされず、本当に価値のあるものを見極める。
- 優先順位を適切に設定する → 何が最も重要かを常に意識し、適切にリソースを配分する。
- やるべきことを後回しにしない → 効率的に仕事を進めるために、不要な作業を減らし、本筋に集中する。
現代のビジネス環境では、常に変化が求められます。しかし、変化に流されるのではなく、「何が本当に大切なのか?」 を冷静に見極めることこそ、優れたリーダーの条件です。
あなたの仕事や組織運営において、島津義久のこの名言をどのように活かせるでしょうか?ぜひ、日々の意思決定の参考にしてみてください。
この記事を読んでいただきありがとうございました。
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