義に背けば勝っても勝ちではなく、義を貫けば負けても負けではない
戦国時代にあって、「義」の武将といえば上杉謙信です。七十戦余の合戦で負けた回数は、わずか二回。謙信は私利私欲のために戦ったことはなく、徹底して「義」を貫いた名将でした。
自身の欲望を追求することが「利」、その反対が「義」です。
「利」を追求すると、どんな行動になるのでしょうか?「利」についての名言です。
富を欲するか。恥を忍べ、傾絶せよ。故旧を絶ちて、義と背け
(恥に耐え、命の限りに全力を尽くせ。旧友との交際を絶ち、 義理に背け。 もし富を得たいのならば )孟子
金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさ 義理をかく、人情をかく、恥をかく是で三角になる(夏目漱石『我輩は猫である』より抜粋)
次に「義」についての名言です。
「先義後利」義を先にして利を後にする者は栄える
「義に死すとも不義に生きず」 松平容保
「義」はその人の器の広さ、深さを垣間見ることができます。
短期的なノルマ、営業利益、コスト削減、人件費削減など、日々の目標に追われている状況では、義を大切にしたいと考えていても多かれ少なかれ葛藤があるかもしれません。
利と義のバランスは大切です。
誠実をもって人に対することを常に念頭において、自分の保身より仲間との義を大切にすることは大切なことですが、人付き合いで安易な義理人情は、貧乏くじを引くだけで、自分にとって良くないことがあります。
倫理や良心にかなっているかどうかも大事ですが、安心して生活できるだけの「利」は必要です。あくまで本質にそって、物事を判断しなければなりません。
「義」を通すか?「利」を得るか?といった決断が難しいのは、もう一つの選択がその決断に関連するからです。
「義」を通すには「利」が必要で「利」を得るには「義」が必要。全体的に考えればどちらも必要なものです。
最後の最後で効いてくるのは、「この人は信じられるのか」という一点です。
戦国武将の名言集に戻ります。
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