徳川家康が書いたといわれている大将の戒めです。
大将の戒め
大将というものは
敬われているようで その実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
大将というものは
絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならぬ
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
自分一人では何もできぬ
これが三十年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないではならず 機嫌をとってはならず
遠ざけてはならず 近づけてはならず
怒らせてはならず 油断させてはならぬものだ
「では どうすればよいので」
家来はな 惚れさせねばならぬものよ
これは経営者だけでなく、上司にもあてはまる言葉です。とくに仕事が順調で地位や権力があるときほど、権力を持ったときの驕りには注意しなければなりません。
権力の強さを忘れることができる大将の戒め、人の上に立つ人は知っていて損はありません。
仕事中に不平、不満、文句、注文ばかりいっている人もいます。
日頃から周囲の人に細かい心づかいをしていないと、仕事で苦しい状況になったときに、誰も助けてくれません。仕事は命令だけではうまくいかないものです。
上の立場の人が一生懸命働こうとする姿勢、態度、言葉、覚悟を伝えなければなりません。他の人が気の毒に思うほど、一生懸命働こうとする心が伝わることで、なんとか力になって助けてあげたいと思ってくれることがあります。
その助け合いから信頼や絆が生まれ、そのうち周囲の人たちが自然についてきてくれるようになります。
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