「我が気に入らぬことが、我ためになるものなり」
鍋島直茂は肥前国を根拠地として九州に割拠し、「肥前の熊」と呼ばれた竜造寺隆信の重臣です。
知略と統率力で、強大な豊後国の大友氏、薩摩国の島津氏らと並ぶ勢力までに主家を導きました。大友氏が竜造寺氏討伐の兵を挙げ、大軍をもって領内に攻め込んだ時には、六万ともいわれる大友軍に対し、竜造寺軍は五千あまり。
この時、直茂は寡勢をもって敵本陣に夜襲をかけ大勝しました。当主・龍造寺隆信とは義兄弟にあたり、二人は仲が良く、協力して九州に勢力を拡大しましたが、隆信が酒色に溺れると、直茂は次第に疎まれて遠ざけられました。そのため隆信は家臣から人望を失ってしまいました。そんな主君を見ていた直茂が鍋島家の家訓として残した名言です。
自分の欠点を指摘されるのは聞き苦しいが、気を鎮めて聞けば自分のためになる。と忠告しています。自分に対しての悪声は、たいていの場合、自分の過誤や欠点が指摘されます。謙虚にその言葉をそのまま受け止めるべきか、どうしたらいいのか判断に迷うときもあると思いますが、素直に聞いて謙虚に己を反省した上で、いい勉強をさせてもらったと思えば、成長できる気がします。
耳に痛いことを言う先輩や上司、また家族の情け容赦のない指摘が 辛くなったとき、この言葉を思い出していただければ、気に入らない人物・物事こそが自分を成長させるきっかけになり、プラス思考で考えられる力になります。
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