母里友信(太兵衛)は、黒田官兵衛の息子・黒田長政の使者として、京都伏見城に滞留していた福島正則の元へ使わされます。福島 正則は、豊臣秀吉の下で、賤ヶ岳の七本槍と称賛された戦国武将ですが、大酒飲みで酒癖が悪かったと伝えられています。
屋敷に招かれた太兵衛は、福島正則から酒を勧められます。太兵衛も酒豪の者で有名でしたが、黒田長政の使者という立場上、酒の勧めを固く断っていました。
福島正則はさらに酒を勧め正則は「飲み干せたならば好きな褒美をとらす」という言葉とともに、黒田家を侮辱するような発言を繰り返して太兵衛を挑発しました。
黒田家の名を侮辱するような正則の挑発に腹を決めた太兵衛は、大杯に注がれた酒を一気に呑み干します。
そして「好きな褒美をとらす」との言葉を受けて、太兵衛が所望したのが、福島正則の名槍「日本号」です。日本号とは、正則が豊臣秀吉から拝領した家宝でしたが、武士に二言はないということで、これを褒美に差し出しました。
酒は呑め呑め 呑むならば 日本一(ひのもといち)のこの槍を 呑み取るほどに呑むならば これぞ真の黒田武士
福島正則から名槍「日本号」を飲み取ったエピソードは現在も「黒田節」として歌われています。
職場の飲み会は仕事に近いものなので、本当は行きたくない、参加したくないという人もたくさんいるかもしれません。プライベートの時間まで付き合いたくない人たちと行く飲み会は必要ない、といいきる人もいます。飲み会で誰とでも親睦が深められるわけではありません。仕事の飲み会だと本音で語り合うこともすくないはずです。二次会などの出費も無駄に思うこともあるかもしれません。
飲みニケーションが重要な仕事といわれなくなった最近ですが、飲み会にも良いことはあります。普段仕事をしているだけでは得られない情報を得ることで、その人の考え方、好み、行動パターンを読むことができるようになります。飲み会での些細な情報が仕事で活躍することがあり、良好な人間関係がつくれている場合には、無理をお願いすることもできます。
酔いつぶれるとできませんが、飲み会ではその人なりがわかります。人を観察するにはとても良い環境です。空気を読む訓練になります。そして、周囲の状況をよく観察して相手に気持ちよく過ごさせるために考え行動することが、日常の仕事にも役に立ちます。
嫌でも参加しなければならない人もいるかもしれませんが、飲み会が終わる時間をただ待つだけなく、少しでも有意義な時間にしたいものです。
戦国武将の名言集に戻ります。
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