渋柿を切って甘柿を継ぐのは小心者のすることだ。国持ち大名にあっては、渋柿は渋柿として役に立つものだ。
渋柿は干せば干し柿として甘くなる。自国の弱みや、嫌な部下も使い方によっては良くも悪くもなるという、人はその性質に沿って使うことが大事であるという趣旨です。
人の使い方は本当に難しいものです。仕事ができる上司、できない上司、使いやすい部下、使いにくい部下、など様々な人たちと仕事をしていくうえで関わります。信玄はどんな部下でも一人一人、役立つように使える人が、良い上司だと説いています。
良い上司は、口で説明するだけではなく、その人に合った方法で指示を出します。指示を出したら結果を見て、指示の出し方を変えるかトレーニングをします。トレーニングは、導入ー提示ー運用ー評価の順で、できるようになるまで仕事を教えていきます。しかし、管理職になる人が必ずしも人格者ではありません。このような上司とは頻繁にめぐり合うわけではないので一般的には使いづらい人を排除しようとする上司はよくいます。
仕事の能率の悪い部下、仕事ができても上司の指示に従わない部下などが同じチームで働いている場合、人を使うことが苦手な上司はすぐに「部下を替えてくれ」と言います。どんなに優秀な部下が来ても、使い切れません。自分の使いやすい部下を集めれば、楽にはなると思いますが、組織としての力が徐々に弱くなってきます。こういう上司は絶えず使いやすい部下を求めていると思うのです。部下が反論をしたり、素直に従わないから潰そうとするのではないかと私は考えています。
では部下の心得えとして、助言をもらったりサポートを受けながら、仕事をはかどるようにするには部下である以上、上司の役に立つ人材にはなるべきだと思います。例えば、自分の考えと上司の考えをすり合わせて仕事をしていくことは大切です。それを強く意識していくだけでも、役に立つようになっていきます。
ビジネスマンは、いろいろな人に「教えてもらう」ことによって成長します。丸ごと真似できるだけの「素直さ」が、「教えてもらう」ことには必要です。素直さは好感を得ることにもつながります。部下に限りませんが、ビジネスの場では相手から好かれる人になるべきです。
上司から愛されるようになれば、少々意見が食い違っても、その考えが受け入れられるかもしれません。ビジネスマンは上司を始め周囲の人を抱き込んで自分の仕事を実現していかないといけないので、人から愛されることは組織人であるビジネスマンの強い武器になります。
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