伊達政宗の夢の跡!仙台城(青葉城)で東北の歴史と絶景を満喫する旅

戦国時代のお城 一覧

宮城県仙台市青葉区に位置する仙台城は、別名「青葉城」とも呼ばれ、伊達政宗が築城した城としてその名を全国に轟かせました。青葉山という天然の要害に築かれた平山城で、東に広瀬川、南に竜ノ口渓谷が流れ、三方を断崖に囲まれた、まさに難攻不落の城でした。

残念ながら明治以降の廃城令や第二次世界大戦の戦災によって多くの建物が失われましたが、現在は「青葉山公園」として整備され、広大な敷地内に石垣や堀、そして往時の姿を偲ばせる復元された大広間跡などが良好に残ります。この記事では、仙台城の奥深い歴史から、見どころ、さらには周辺の観光情報まで、余すことなくご紹介します。

仙台城の歴史:誰がいつ築き、どんな役割を果たしたか

仙台城は、慶長5年(1600年)に伊達政宗が築城を開始し、その居城と定めました。関ヶ原の戦いの前後に、それまで居城としていた岩出山城から移転し、この青葉山に新たな本拠地を築きました。政宗が仙台を選んだ理由には、広大な平野が広がり、米の生産に適していたこと、広瀬川と竜ノ口渓谷という天然の要害があったこと、そして奥州街道や三陸海岸へのアクセスが良く、経済・交通の要衝となり得たことが挙げられます。

政宗は、徳川家康の天下統一を確信し、新しい時代にふさわしい城を築くことを目指しました。仙台城は、本丸を中心に、二の丸、三の丸、沢ノ丸、大手門など、広大な敷地に多くの曲輪(くるわ)と門が配置された大規模な城郭でした。

天守は築かれなかったものの、本丸御殿は豪華絢爛な造りで、その威容を誇りました。仙台城は、江戸時代を通じて伊達氏13代の居城として、陸奥国仙台藩の政治、経済、文化の中心地として栄えました。また、藩主の居城であるとともに、東北地方における幕府の重要な拠点としての役割も担っていました。

明治維新後、廃城令によって多くの建物が解体され、残念ながら第二次世界大戦の仙台空襲によって、残っていた石垣や一部の建物も大きな被害を受けました。しかし、現在も残る巨大な石垣や、復元された大広間跡、そして政宗騎馬像などが、往時の雄大な姿を今に伝えています。この歴史の舞台で、伊達政宗の野望と、それが築き上げた仙台の繁栄に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

見どころ紹介:巨大な石垣、復元された大広間跡、伊達政宗騎馬像など

仙台城には天守は現存しませんが、その雄大な規模と、残された壮大な石垣は、訪れる人々を圧倒します。特に注目すべきは、本丸の南東隅に残る巨大な石垣です。高さ約15メートルにも及ぶ石垣は、自然石を巧みに積み上げた野面積み(のづらづみ)と呼ばれるもので、その力強い佇まいからは、当時の築城技術の高さと、敵の侵入を阻むための工夫が感じ取れます。石垣の上からは、広がる仙台市街と太平洋を一望でき、伊達政宗がこの場所を選んだ理由を肌で感じられます。

また、本丸跡に建つ伊達政宗騎馬像は、仙台城のシンボルとして最も有名な見どころの一つです。仙台の街を見守るように立つ政宗の姿は、その威厳と野望を今に伝えています。騎馬像を背景に、広がる仙台の街並みを撮影するのもおすすめです。本丸跡は広々とした公園となっており、かつて豪華絢爛な御殿が建っていた場所を散策できます。大広間跡には、礎石などが残されており、当時の建物の配置や規模を想像できます。

さらに、城跡には、復元された脇櫓(わきやぐら)や、巽門跡(たつみもんあと)、そして大手門跡など、往時の面影を偲ばせる遺構が点在しています。それぞれの場所には説明板も設置されており、当時の役割や構造について学びながら散策ができます。城跡全体が緑豊かな公園として整備されており、歴史の重みと、そこに息づく自然の美しさを肌で感じられる場所です。

映える撮影スポット:政宗像と仙台市街の夜景、桜と紅葉の城跡

仙台城は、歴史的な価値だけでなく、その美しい景観も写真愛好家にとって人気の撮影スポットです。特に、伊達政宗騎馬像と、広がる仙台市街を一望できる本丸跡からの眺めは、素晴らしい被写体となります。展望台が整備されており、三脚を立ててじっくり撮影することも可能です。

春には、城跡公園内に植えられた桜が満開となり、ピンク色に染まる石垣や本丸跡は息をのむような美しさです。特に、桜と政宗像、そして仙台の街並みを一緒に収めるアングルは、多くの人々を魅了します。この時期は多くの観光客で賑わうため、早朝や夕暮れ時を狙うと、より落ち着いて撮影できます。夏には、青々とした木々の緑が城跡全体を包み込み、清々しい風景が広がります。木々の間から差し込む木漏れ日が、石垣や土塁に美しい陰影を落とします。

秋には、紅葉が城跡を彩り、赤や黄色、オレンジ色のグラデーションが壮大な歴史遺構と見事な調和を見せます。本丸跡の木々が色づく様は特に美しく、歴史の重みと自然の芸術を感じられます。冬には、雪に覆われた白銀の城跡が幻想的な美しさを見せます。静寂の中で雪化粧をまとった石垣や遺構は、墨絵のような趣があり、独特の雰囲気を醸し出します。どの季節に訪れても、仙台城はあなたを魅了します。

現地体験:博物館、語り部、そしてご当地グルメ

仙台城では、歴史を深く学ぶための様々な体験ができます。本丸跡にある「青葉城本丸会館」には、仙台城の歴史を解説する展示室やお土産ショップ、レストランがあります。ここでは、城のジオラマや映像資料を通じて、往時の城の様子や、伊達政宗の生涯について学ぶことができます。特に、CG再現された仙台城の映像は、当時の姿をよりリアルにイメージするのに役立ちます。

また、会館では、「仙台城伊達武将隊」によるおもてなし演武が行われることがあります(日程は要確認)。伊達政宗や片倉小十郎などに扮した武将たちが、観光客との記念撮影に応じたり、演武を披露したりして、城の歴史を楽しく伝えてくれます。彼らの活気あるパフォーマンスは、城を訪れる人々に忘れられない思い出となるでしょう。さらに、青葉山公園内には、仙台市博物館が隣接しており、伊達家の甲冑や刀剣、美術品などが展示され、仙台の歴史と文化について深く学ぶことができます。

青葉城本丸会館内のレストランでは、仙台名物の「ずんだ餅」や「牛たん定食」などのご当地グルメが楽しめます。城跡からの絶景を眺めながらの食事は、格別の味わいです。城跡の散策に疲れたら、カフェで一休みするのも良いでしょう。歴史の重みと、そこに息づく現代の魅力を肌で感じられる場所です。

交通手段:電車・路線バス・車での行き方、最寄り駅など

仙台城へのアクセスは、いくつかの方法があります。

電車・地下鉄を利用する場合: JR仙台駅が最寄り駅となります。仙台駅から地下鉄東西線に乗り換え、「国際センター駅」で下車します。国際センター駅から仙台城跡までは徒歩で約15分から20分程度です。または、「青葉通一番町駅」で下車し、そこからるーぷる仙台バスに乗り換えることも可能です。

路線バス(るーぷる仙台)を利用する場合: 仙台市内観光に便利な周遊バス「るーぷる仙台」が運行しています。JR仙台駅西口バスプール16番乗り場から乗車し、「仙台城跡」バス停で下車します。仙台城跡バス停は本丸のすぐ近くにあり、非常に便利です。約15分から20分間隔で運行しており、主要な観光スポットを巡るのに最適です。一日乗車券を購入すると、お得に観光できます。

車を利用する場合: 東北自動車道「仙台宮城インターチェンジ」から約15分から20分で仙台城跡に到着します。仙台城跡には有料駐車場が整備されており、安心して駐車できます。駐車場の数に限りがあるため、特に観光シーズンは早めの到着をおすすめします。

どの交通手段を選ぶにしても、事前にしっかりと計画を立てておくことが、スムーズな旅の秘訣です。特に、るーぷる仙台バスは観光客に人気の交通手段です。

周辺の観光名所:徒歩・公共交通で行ける名所

仙台城を訪れたなら、周辺の魅力的な観光名所もぜひ巡ってみてください。仙台市内には、城跡以外にも見どころが豊富に存在します。

  • 仙台市博物館: 仙台城跡に隣接しており、徒歩約5分です。伊達家ゆかりの品々や、仙台の歴史に関する展示が充実しており、仙台城の理解を深める上で欠かせない施設です。
  • 瑞鳳殿(ずいほうでん): 伊達政宗、二代忠宗、三代綱宗が眠る霊屋(おたまや)です。仙台城跡からるーぷる仙台バスで約5分、「瑞鳳殿前」バス停下車後、徒歩約10分です。豪華絢爛な桃山文化の粋を集めた建築は一見の価値ありです。
  • 大崎八幡宮: 伊達政宗が造営した、桃山建築の豪華な社殿を持つ神社で、国宝に指定されています。仙台城跡からるーぷる仙台バスで約15分、「大崎八幡宮前」バス停下車後、徒歩すぐです。伊達家の信仰と、当時の技術力を感じられます。
  • 定禅寺通(じょうぜんじどおり): 仙台のメインストリートの一つで、ケヤキ並木が美しい「杜の都」仙台を象徴する場所です。仙台城跡からるーぷる仙台バスで約15分、「定禅寺通市役所前」バス停下車後、徒歩すぐです。光のページェントなど、季節ごとのイベントも開催されます。
  • 仙台朝市: 仙台駅から徒歩圏内にある活気ある市場です。新鮮な海の幸や山の幸が豊富に並び、地元の食文化に触れられます。仙台城跡からるーぷる仙台バスで仙台駅まで行き、徒歩約5分です。

これらのスポットを巡ることで、仙台城の歴史探訪だけでなく、仙台の豊かな文化や自然、そしてグルメも満喫できます。

ご当地の味とおすすめ店:城の近くで楽しめる食事&喫茶店

仙台城周辺には、仙台ならではの美味しいご当地グルメを楽しめるお店が点在しています。城巡りの疲れを癒し、地元の味を堪能するのも旅の醍醐味です。

牛たん: 仙台を代表するグルメであり、厚切りの牛たんを炭火で香ばしく焼いたものは絶品です。仙台城本丸会館内のレストランでも味わえますが、仙台駅周辺や市街地には多くの専門店があります。「利久」「喜助」「たんや善治郎」などが有名です。どのお店も行列ができる人気店です。

ずんだ餅: 枝豆をすりつぶして作るずんだ餡を使った餅菓子で、仙台の伝統的な郷土料理です。甘さ控えめで、枝豆の香りが豊かです。仙台城本丸会館のお土産ショップや、市内の和菓子店、カフェなどで購入できます。「ずんだ茶寮」のずんだシェイクも人気です。

笹かまぼこ: 魚のすり身を笹の葉の形にして焼き上げた、仙台の定番土産です。プリッとした食感と魚の旨みが特徴です。仙台市内の土産物店や、蒲鉾専門店で購入できます。試食ができるお店も多いので、お好みの味を見つけてみてください。

仙台セリ鍋: 仙台の冬の味覚として知られるセリ鍋は、新鮮なセリを根っこまで余すことなく使った鍋料理です。セリのシャキシャキとした食感と、鴨肉や鶏肉の旨みが溶け出した出汁がたまらない美味しさです。冬に仙台を訪れるなら、ぜひ味わってほしい一品です。

おすすめの喫茶店・カフェ: 仙台城本丸会館内にもカフェがありますが、市街地にはおしゃれなカフェや、レトロな雰囲気の喫茶店も多く存在します。城巡りの後に、温かいコーヒーや地元のスイーツを味わいながら、旅の思い出を振り返るのも良いものです。観光案内所で、最新のおすすめ店情報を尋ねるのも良い方法です。

これらの美食体験を通して、仙台城の旅をさらに豊かなものにしてください。

周辺名所への行き方:徒歩何分/交通手段などの簡潔な案内

仙台城跡を拠点として、周辺の観光名所へのアクセスを簡潔に紹介します。

  • 仙台市博物館:
    仙台城跡から徒歩約5分。
  • 瑞鳳殿:
    仙台城跡からるーぷる仙台バスで約5分、「瑞鳳殿前」バス停下車後、徒歩約10分。
  • 大崎八幡宮:
    仙台城跡からるーぷる仙台バスで約15分、「大崎八幡宮前」バス停下車後、徒歩すぐ。
  • 定禅寺通:
    仙台城跡からるーぷる仙台バスで約15分、「定禅寺通市役所前」バス停下車後、徒歩すぐ。
  • 仙台朝市:
    仙台城跡からるーぷる仙台バスで仙台駅まで行き、徒歩約5分。

これらの情報はあくまで目安であり、時間帯や交通状況によって変動する場合があります。時間に余裕を持って計画を立てることをおすすめします。特に公共交通機関を利用する際は、乗り換えや運行本数に注意してください。

まとめ:初心者にもおすすめの理由、旅の秘訣

仙台城(青葉城)は、歴史に詳しくない方でも十分に楽しめる、魅力あふれる史跡です。天守などの建物は現存しませんが、雄大な石垣や、伊達政宗騎馬像、そして本丸跡からの絶景は、訪れる人々を魅了します。

初めて城を訪れる方でも、青葉城本丸会館の展示や、仙台城伊達武将隊のおもてなしによって、楽しく城の歴史を学ぶことができます。また、周辺には仙台市博物館や瑞鳳殿、大崎八幡宮など、伊達家ゆかりのスポットや、牛たんやずんだ餅といった仙台ならではのグルメが豊富にあり、歴史と文化、そして美食を一度に楽しめます。

旅の秘訣は、時間にゆとりを持って、城跡の隅々までじっくりと散策することです。その上で、地元のおいしい料理を味わい、仙台の魅力を存分に堪能することに尽きます。

歴史のロマンと美しい風景、そして美食に満ちた仙台城への旅は、きっと忘れられない思い出となるに違いありません。この機会にぜひ、仙台の地へ足を運んでみてください。

この記事を読んでいただきありがとうございました。

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