東北の玄関口にそびえる名城!白河小峰城で歴史と自然を満喫する旅

戦国時代のお城 一覧

福島県白河市に位置する白河小峰城(しらかわこみねじょう)は、かつて「奥州関門の名城」と称された歴史あるお城です。木造で忠実に復元された美しい三重櫓(さんじゅうやぐら)と、見事な石垣が特徴で、幕末の戊辰戦争(ぼしんせんそう)で焼失したものの、現代によみがえりました。

東日本大震災で被害を受けた石垣も、伝統工法で美しく修復され、その歴史の重みを今に伝えています。この記事では、白河小峰城の魅力や見どころ、周辺のおすすめスポットを余すことなく紹介します。歴史好きの方も、美しいお城の姿を堪能したい方も、白河のすべてをぜひご堪能ください!

白河小峰城の歴史:激動の時代を乗り越えた名城

白河小峰城は、南北朝時代の建武元年(1334年)頃に結城親朝(ゆうきちかとも)によって築かれたのが始まりとされています。その後、戦国時代を経て、江戸時代初期の寛永9年(1632年)に初代白河藩主となった丹羽長重(にわながしげ)が、約4年の歳月をかけて現在の石垣を多用した近世城郭へと大規模に改修しました。

江戸時代を通じて、松平定信(まつだいらさだのぶ)をはじめとする7家21代の大名が城主を務め、奥州の要衝として重要な役割を担いました。しかし、慶応4年(1868年)、幕末の激動期に起こった戊辰戦争「白河口の戦い」により、城内の建物はほとんどが焼失し、落城の憂き目にあいました。

その後、約120年の時を経て、平成3年(1991年)に発掘調査や江戸時代の絵図に基づいて、木造で三重櫓(御三階櫓)と前御門(まえごもん)が忠実に復元されました。そして、平成23年(2011年)の東日本大震災では石垣が大きく崩れましたが、約8年の歳月をかけて江戸時代の伝統工法で修復され、平成31年(2019年)にその壮麗な姿を再び見せてくれるようになりました。震災からの復旧工事は全国の被災文化財修復の先進事例としても注目されています。

見どころ紹介:復元された木造天守と美しい石垣

白河小峰城の最大の魅力は、日本でも数少ない木造で復元された三重櫓と、その美しい石垣です。

復元された三重櫓は、創建当時の見取り図をもとに忠実に再現されており、内部に入って見学することができます。郷土博物館「小峰城歴史館」が併設されており、城の歴史や歴代藩主の刀剣、武具などが展示されています。三重櫓の柱には、戊辰戦争の激戦地となった松並稲荷山の杉が使われており、当時の弾丸の傷跡が残っている場所もあるとか。最上階からは、白河市街や雄大な阿武隈川、そして遠くの山々を一望でき、その眺めは素晴らしいです。

また、城郭をぐるりと囲むように築かれた石垣は、その美しい勾配と「打ち込み接ぎ」と呼ばれる精巧な積み方が特徴で、「東北三大名城」と称される所以でもあります。震災で崩落した部分も、見事に修復されており、当時の技術力の高さに感銘を受けるでしょう。二の丸や帯曲輪(おびぐるわ)を巡りながら、様々な角度から石垣の美しさを堪能してください。

城内は公園として整備されており、桜の季節には美しい花々に彩られます。二ノ丸茶屋では、休憩したり、お土産を買ったりすることもできます。

映える撮影スポット:四季折々の城の表情を捉える

白河小峰城は、その美しい姿から、四季を通じて様々な表情を見せる撮影スポットとして人気です。

一番のおすすめは、やはり桜の季節です。城を囲む桜が満開になる頃、白亜の三重櫓と桜のコントラストは息をのむ美しさ。特に、堀や石垣を背景に桜を捉えるアングルは、絵になります。桜まつりの期間中にはライトアップも行われ、夜桜と三重櫓が幻想的な雰囲気を醸し出します。

秋には、紅葉に彩られた三重櫓と石垣が、落ち着いた雰囲気を見せてくれます。冬には、雪化粧をまとった三重櫓が、凛としたたたずまいを見せ、まるで水墨画のような美しい景色が広がります。真っ白な雪と城の対比も魅力的です。

また、三重櫓だけでなく、前御門や、多種多様な石垣もフォトジェニックな被写体です。見る角度によって三重櫓の表情が変わるので、お気に入りのアングルを探してみるのも楽しいでしょう。搦手(からめて)側は、桜の時期には隠れた撮影スポットとしても人気です。

現地体験:歴史の足跡を辿る城下町散策と伝統の味覚

白河小峰城を訪れたなら、城跡の散策と合わせて、白河の歴史と文化に触れる体験もぜひ楽しんでください。

白河小峰城のすぐそばにある小峰城歴史館では、城の歴史や震災からの復旧過程について、より詳しく学ぶことができます。江戸時代の小峰城をCGで再現したVRシアターもあり、城内を歩いているかのような感覚で、往時の城の大きさを体感できますよ。

白河市は、「奥州三古関」の一つに数えられる白河関跡(しらかわのせきあと)があることでも知られています。奈良時代から平安時代にかけて、人や物の往来を取り締まる機能を果たした重要な場所で、多くの歌人に詠まれました。現在は白河関の森公園として整備されており、美しい自然の中で歴史に触れることができます。

また、日本最古の公園と言われる南湖公園(なんここうえん)も、白河小峰城からほど近い場所にあります。寛政の改革で知られる白河藩主・松平定信が「士民共楽(身分に関わらず誰もが楽しめる)」の理念のもと築造した美しい公園で、四季折々の風景を楽しめます。公園内には南湖神社や日本庭園「翠楽苑(すいらくえん)」もあり、ゆったりと過ごすのに最適ですいです。

白河の城下町には、古い町並みを再現した商業施設「楽蔵(らくら)」もあり、食事やお土産探しを楽しめます。

交通手段:駅からもICからもアクセス良好

白河小峰城へのアクセスは非常に便利です。最寄り駅はJR白河駅で、そこから徒歩圏内です。

JR白河駅から白河小峰城までは、徒歩わずか5分程度とアクセス抜群です。駅を出てすぐにお城が見えてくるので、迷うことなくたどり着けます。

車で訪れる場合は、東北自動車道「白河中央スマートIC」から約5分、または「白河IC」から約15分程度で到着します。城山公園には無料駐車場が約110台分完備されており、車での訪問も安心です。ただし、桜の時期やイベント開催時は混雑が予想されるため、早めの到着がおすすめです。

東京方面からは、東北新幹線で新白河駅まで行き、そこからJR東北本線に乗り換えて白河駅まで来るのが一般的です。

周辺の観光名所への行き方

  • 小峰城歴史館:

    白河小峰城公園内にあります。

  • 南湖公園:

    白河小峰城から車で約10分。

  • 白河関の森公園(白河関跡):

    白河小峰城から車で約20分。

  • 楽蔵:

    白河小峰城から徒歩約5分。

ご当地の味とおすすめ店:白河ラーメンとご当地グルメを堪能

白河小峰城の観光を楽しんだ後は、地元の美味しい食事で旅の疲れを癒やしてください。白河市は、全国的にも有名なご当地グルメが豊富です。

白河の代表的なご当地グルメといえば、なんといっても「白河ラーメン」です。コシの強い手打ちのちぢれ麺と、深い味わいの醤油スープが特徴で、市内には100軒近くのラーメン店がひしめき合っています。「とら食堂」や「火風鼎(かふうてい)」など、全国的にも有名な人気店が多いので、ぜひ食べ比べてお好みの味を見つけてみてください。地元の人々のソウルフードである白河ラーメンは、旅の大きな楽しみになるでしょう。

また、小峰城公園内にある「二ノ丸茶屋」では、「白河だるまバーガー」など、ここでしか味わえないご当地グルメも楽しめます。だるまの焼印が押されたバンズが可愛らしく、小腹が空いた時にぴったりです。

その他、白河市は、蕎麦処としても知られています。白河産のそば粉を使った手打ち蕎麦は、香り豊かで、地域の食文化を感じさせてくれます。お土産には、白河だるまなど、縁起の良い民芸品もおすすめです。白河駅周辺や市街地には、他にも多くの飲食店やお土産店がありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

まとめ:白河小峰城で歴史の重みと現代の活力を感じる旅

白河小峰城は、戦乱の歴史を乗り越え、現代にその美しい姿を伝える東北を代表する名城です。木造で忠実に復元された三重櫓と、精巧に積み上げられた石垣は、その堅固さと美しさで訪れる人々を魅了します。東日本大震災からの復興のシンボルとしても、大きな意味を持つお城です。

交通アクセスも良好で、周辺には白河関跡や南湖公園など、歴史と自然が調和した魅力的なスポットが点在しています。さらに、全国的に有名な白河ラーメンをはじめとするご当地グルメも充実しており、歴史、文化、食、そして自然を一度に満喫できるのが白河の大きな魅力です。

初めて白河を訪れる方も、この地の持つ深い物語に触れることで、新たな発見と感動に出会えるでしょう。この旅の秘訣は、三重櫓の内部を見学し、石垣の力強さを感じ、そして城下町に息づく白河の文化と味覚を心ゆくまで楽しむことです。白河小峰城で、あなただけの歴史と美食、そして復興の力強さを感じる旅に出かけてみませんか?

この記事を読んでいただきありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました