港町の歴史を物語る酒田城へ!最上氏と酒井氏のゆかりの地を巡る旅

戦国時代のお城 一覧

山形県酒田市に位置する酒田城は、かつて酒田湊の発展を支えた歴史あるお城です。文明10年(1478年)に武藤氏によって東禅寺城として築かれ、最上義光によって亀ヶ崎城と改称されました。現在は城跡に県立酒田東高校が建ち、往時の面影はわずかですが、酒田の歴史を語る上で欠かせない場所です。この記事では、酒田城の魅力と周辺のおすすめスポットを紹介します。港町の歴史に興味がある方も、地域の文化に触れたい方も、酒田のすべてをぜひご堪能ください。

酒田城の歴史:港と共に歩んだ城の変遷

酒田城の起源は、文明10年(1478年)に庄内地方の有力豪族であった武藤氏(大宝寺氏)が築いた東禅寺城に遡ります。酒田湊の要衝に位置し、商業で栄える酒田の町を守る重要な拠点でした。戦国時代には、この地を巡って争奪戦が繰り広げられ、最上氏の支配下に入ります。

慶長8年(1603年)、当時の領主であった最上義光(もがみよしあき)は、酒田湊に巨大な亀が上陸したことを吉兆と喜び、東禅寺城を亀ヶ崎城と改称しました。

最上氏の改易後は、庄内藩酒井氏の所領となり、鶴岡城が藩の中心となったため、亀ヶ崎城は廃城となりました。江戸時代末期頃までは堀や庭園の痕跡が残っていたとされますが、明治維新以降、その敷地のほとんどが学校用地となり、現在は土塁の一部にわずかな名残をとどめるのみとなっています。

見どころ紹介:わずかに残る土塁に往時の面影を偲ぶ

現在の酒田城跡は、県立酒田東高校の敷地となっており、残念ながら往時の建物のほとんどは失われています。しかし、学校の敷地脇には、当時の土塁の一部が残されており、かつての城の存在を感じることができます。

このわずかに残る土塁は、酒田城が確かにこの地にあったことを示す貴重な遺構です。土塁の周辺を歩くと、かつて城が守っていた酒田の町並みや、最上川の河口、そして日本海の広がりを感じられるでしょう。周囲の近代的な建物の中に、ひっそりと残る土塁は、酒田の歴史の深さを静かに物語っています。

城跡の全体像を想像するのは難しいかもしれませんが、酒田市立資料館などで、当時の城の様子や酒田の歴史に関する展示を見学することで、より深く城の背景を理解できます。

映える撮影スポット:歴史の片鱗と現代の融合

酒田城址は、他の城郭のように壮大な建物が残っているわけではありませんが、歴史の片鱗と現代の風景が融合した、独特の撮影スポットとなり得ます。

残された土塁は、静かに酒田の歴史を見つめてきた存在です。土塁を背景に、現代の高校の校舎や、その向こうに広がる酒田の街並みをフレーミングすることで、過去と現在の対比を表現した写真を撮影できます。

また、酒田の象徴である最上川の河口や酒田港を背景に、歴史を感じさせる構図で撮影するのもおすすめです。港を行き交う船や、夕陽に染まる海など、刻々と変化する風景は、写真に深みを与えます。天気の良い日には、青空の下で土塁の存在感を強調したり、夕焼けの時間帯には、ノスタルジックな雰囲気を演出したりと、様々な表現が可能です。

現地体験:港町酒田の歴史と文化に触れる

酒田城址を訪れたなら、周辺の港町酒田の歴史と文化に触れる体験もぜひ楽しんでください。酒田は、北前船の寄港地として栄え、豊かな経済力と独自の文化を育んできました。

まず訪れたいのは、山居倉庫(さんきょそうこ)です。明治26年(1893年)に建てられた米の保管倉庫で、ケヤキ並木と共に美しい景観を作り出しています。倉庫内部の一部は「酒田夢の倶楽」として観光施設になっており、お土産物店やレストランがあります。

また、江戸時代から続く料亭を改装した舞娘茶屋 相馬樓(まいこちゃや そうまろう)は、酒田の文化と美意識が凝縮された場所です。ここでは、舞娘さんの踊りを見学したり、美味しいお茶やお菓子をいただいたりできます。竹久夢二美術館も併設されており、芸術に触れることもできます。

さらに、かつて酒田を代表する豪商であった本間家の別邸、本間美術館も見逃せません。広大な庭園「鶴舞園」は、国の名勝に指定されており、四季折々の美しさで訪れる人々を魅了します。館内では、本間家に伝わる美術品や調度品が展示されています。

交通手段:電車、バス、車でアクセス可能

酒田城址へのアクセスは比較的便利です。最寄り駅はJR酒田駅で、そこから公共交通機関や車でアクセスできます。

JR酒田駅から市営るんるんバス「酒田駅大学線」を利用すると、約8分で酒田東高校付近に到着します。バスの本数は比較的多く、スムーズにアクセスできるでしょう。また、酒田駅からタクシーを利用すれば約5分で到着します。

車で訪れる場合は、日本海東北自動車道「酒田IC」から約10~15分程度で到着します。酒田東高校周辺に駐車スペースがあるかどうかは、事前に確認することをおすすめします。周辺の観光施設(山居倉庫など)には駐車場が完備されている場所も多いため、それらを利用して周辺を散策するのも良い方法です。

庄内空港からも、空港連絡バスで酒田駅まで移動し、そこからバスやタクシーを利用できます。

周辺の観光名所:港町らしい景観と海の恵み

酒田城の周辺には、港町酒田ならではの魅力的な観光名所が点在しています。酒田を象徴する観光スポットの一つが日和山公園(ひよりやまこうえん)です。日本海に面した高台に位置し、日本海に沈む夕陽が美しいことで知られています。

公園内には、ミニチュアの千石船や、方角石、常夜灯など、港町らしいモニュメントが点在しており、ノスタルジックな雰囲気を楽しめます。桜の名所でもあり、春には多くの花見客で賑わいます。

新鮮な海の幸を味わいたいなら、さかた海鮮市場がおすすめです。1階では日本海でとれたての鮮魚が並び、2階の「海鮮どんや とびしま」では、港を眺めながら新鮮な海鮮丼などを堪能できます。

また、少し足を伸ばせば、平安時代の出羽国の国府跡とされる城輪柵跡(きのわさくあと)があります。広大な敷地には政庁南門や築地塀の一部が復元されており、日本の古代史に触れることができます。

他にも、土門拳写真美術館など、文化的なスポットも充実しています。酒田は、港町の歴史と文化、そして豊かな食が融合した魅力的な街です。

ご当地の味とおすすめ店:新鮮な海の幸と酒田ならではの味覚

酒田城の観光を楽しんだ後は、地元の美味しい食事で旅の疲れを癒やしてください。酒田市は、日本海に面しているため、新鮮な海の幸が豊富です。

まずは、前述の「さかた海鮮市場」2階の「海鮮どんや とびしま」で、とれたての魚介を使った海鮮丼を味わうのがおすすめです。新鮮でボリューム満点の海鮮丼は、酒田を訪れたならぜひ堪能してほしい一品です。

酒田市は、ラーメン激戦区でもあります。特に「酒田ラーメン」は、魚介系のあっさりとしたスープと、手もみの縮れ麺が特徴です。市内には多くのラーメン店があり、それぞれに個性があります。

その他、地元の米を使った日本酒も特産品です。酒蔵見学ができる場所もあり、試飲を楽しめます。お土産には、だだちゃ豆を使ったお菓子や、新鮮な海産物の加工品などがおすすめです。酒田駅周辺や、市内の飲食店街には、様々なジャンルの飲食店が点在しています。観光案内所などで、最新の飲食店情報やおすすめのお店を尋ねるのも良い方法です。

周辺名所への行き方

  • 山居倉庫:

    酒田駅から市営るんるんバスまたは車で約5~10分。

  • 舞娘茶屋 相馬樓・竹久夢二美術館:

    酒田駅から市営るんるんバスまたは車で約5~10分。山居倉庫からも比較的近いです。

  • 本間美術館:

    酒田駅から市営るんるんバスまたは車で約5分。

  • 日和山公園:

    酒田駅から市営るんるんバスまたは車で約5~10分。

  • さかた海鮮市場:

    酒田駅から車で約5~10分。

  • 城輪柵跡:

    酒田駅から車で約15分。

まとめ:酒田城址から始まる港町酒田の歴史と美食の旅

酒田城は、現存する建物は少ないものの、港町酒田の発展を支えた重要な歴史の舞台です。わずかに残る土塁は、静かに酒田の歴史を物語っています。城址周辺には、山居倉庫や相馬樓など、北前船で栄えた酒田の歴史と文化を肌で感じられるスポットが豊富です。

交通アクセスも良好で、日本海に面した立地から、新鮮な海の幸を存分に堪能できます。初めて酒田を訪れる方も、何度か足を運んでいる方も、酒田城址から始まる港町酒田の新たな魅力を発見できるに違いありません。

この旅の秘訣は、歴史の背景に思いを馳せながら、港町ならではの風情をゆっくりと味わうことです。酒田城址を訪れて、あなただけの歴史と美食の旅に出かけてはいかがでしょうか。

この記事を読んでいただきありがとうございました。

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