米代川を見下ろす十二所城跡:静かな山城で歴史と絶景を満喫

戦国時代のお城 一覧

秋田県の北部、雄大な米代川のほとりに、静かにその姿を残す十二所城跡。この城は、中世から近世にかけて、この地域の支配者たちが拠点とした歴史深い場所です。現在の城には天守などの建物は残されていませんが、かつての城の姿を伝える空堀や土塁といった遺構が、今も訪れる人々に歴史の重みを語りかけます。

高台に位置する城跡からは、米代川の流れや、周辺の美しい山々までを一望でき、その眺めは心を洗われるようです。この記事では、十二所城跡の見どころから、周辺の観光地、地元の美味しい食事処まで、十二所城観光を心ゆくまで楽しむための情報を網羅しました。十二所城跡で歴史と絶景、そして静かな時の流れを満喫する旅に出かけませんか。

十二所城の歴史:誰がいつ築き、どんな役割を果たしたか

十二所城は、室町時代にこの地を支配した浅利氏(あさりし)によって築かれたと伝えられています。浅利氏は、秋田県北部(旧比内郡)を拠点とした有力な武将であり、十二所城はその本拠地として、長くこの地域の政治、経済、軍事の中心的な役割を果たしました。

城は、周囲の地形を巧みに利用した堅固な山城であり、戦国時代には、周辺の勢力との間で激しい攻防が繰り広げられた歴史があります。特に、津軽氏や安東氏といった北方の勢力との間で、幾度となく戦いの舞台となりました。

江戸時代に入ると、佐竹氏がこの地を支配し、十二所城は久保田藩(現在の秋田市にあった藩)の北部の要衝として整備されました。しかし、江戸時代初期に一国一城令(いっこくいちじょうれい)が発令され、十二所城も廃城となり、その建物は取り壊されました。現在、城跡は地域の歴史を伝える貴重な場所として、静かにその姿を残しています。

見どころ紹介:本丸跡、空堀、土塁などの特徴と魅力

十二所城は、現存する建造物はありませんが、その城跡には、訪れる人々が歴史の深さを感じられる見どころが豊富です。

本丸跡からの雄大な眺望

城跡の最も高い場所に位置する本丸跡は、かつて城の中心地であったことを偲ばせます。ここからは、悠々と流れる米代川(よねしろがわ)や、豊かな田園風景、そして遠く連なる山々までを一望できます。その雄大な景色は、訪れる人々の心を惹きつけます。特に、新緑の季節には緑が鮮やかに輝き、秋には黄金色の稲穂が風に揺れる美しい光景が広がります。

地形を巧みに活かした空堀と土塁

十二所城跡を散策すると、深く掘り込まれた空堀(からぼり)や、高く盛り上げられた土塁(どるい)といった遺構が随所に見られます。これらは、敵の侵入を防ぐために人工的に作られた防御施設であり、当時の築城技術の高さや、城の堅牢さを物語っています。

特に、急峻な地形を巧みに利用した堀や土塁は、十二所城が堅固な山城であったことを実感させます。これらの遺構を巡りながら、戦国の世の緊迫した雰囲気を想像するのも一興です。

静かな歴史散策路

城跡内は、自然が豊かで静かな散策路が整備されています。木々に囲まれた道を歩くと、心が洗われるような穏やかな時間を過ごせます。散策路の途中には、各所の遺構に関する解説板が設置されており、歴史に詳しくない方でも、それぞれの場所がどのような役割を担っていたのかを理解できます。

映える撮影スポット:人気の撮影場所や時期・時間帯のおすすめ

十二所城跡は、豊かな自然に囲まれ、四季折々の美しい風景を見せるため、写真愛好家にとっても魅力的な撮影スポットです。

本丸跡からのリバービュー

最も人気の高い撮影スポットは、本丸跡から見下ろす米代川の景色です。川の流れと、その両岸に広がる自然豊かな風景をパノラマで捉えることができます。

緑豊かな土塁と空堀のコントラスト

城跡に残る土塁や空堀は、迫力のある写真を撮るのに最適です。高低差のある場所から見下ろすように撮影したり、下から見上げるように撮影したりすると、その規模感を伝えるダイナミックな構図の写真が撮れます。

四季折々の自然の表情

十二所城跡は、四季を通じて異なる表情を見せます。春には新緑や一部の桜、夏には深い緑、秋には紅葉、そして冬には雪景色と、どの季節に訪れても美しい自然の姿に出会えます。特に、雪が降り積もった後の静かな城跡は、水墨画のような美しさで、心に残る写真を撮れるはずです。天候の良い日に訪れ、自然光を活かした撮影を楽しみましょう。

現地体験:地域の歴史文化施設見学、自然散策など観光体験

十二所城跡を訪れたら、周辺の地域文化に触れる体験も楽しみましょう。

歴史文化施設での学び

十二所城跡周辺には、地域の歴史や文化に関する資料を展示する施設があります。例えば、大館市内に位置する「大館郷土博物館」では、大館市全体の歴史と共に、十二所城や浅利氏に関する展示もある場合があります。

米代川沿いの自然散策

十二所城跡は米代川に面しており、周辺には川沿いの散策路や自然公園が整備されている場所もあります。城跡を巡るだけでなく、雄大な米代川のほとりを散策することで、秋田の美しい自然を肌で感じられます。特に、釣りやカヌーといったアクティビティを楽しめる場所もあるかもしれません。澄んだ空気の中で、心身ともにリフレッシュできる体験です。

地元の人々との交流

十二所地域の人々は温かく、地元のお店や施設で触れ合う中で、地域の文化や暮らしの息遣いを感じられます。道の駅などで地元の特産品を購入したり、地域のイベントに参加したりすることで、より深い旅の思い出を作れるでしょう。地域のお祭りや行事が開催される時期に訪れると、特別な体験ができます。

交通手段:電車・路線バス・車での行き方、最寄り駅など

十二所城跡へのアクセスは、自家用車やレンタカーが便利です。

電車とタクシーで

最寄り駅は、JR花輪線の大滝温泉駅(おおたきおんせんえき)です。大滝温泉駅から十二所城跡までは、タクシーを利用することをお勧めします。駅からは約10分程度の乗車時間となります。

車でのアクセス

車で訪れる場合も、アクセスは良好です。東北自動車道の小坂インターチェンジから約20分、または大館北インターチェンジから約30分で十二所城跡に到着します。城跡周辺には駐車場が整備されており、自家用車やレンタカーで安心して訪れることができます。特に冬季は積雪があるため、冬用タイヤの準備を忘れないようにしましょう。

周辺の観光名所:徒歩・公共交通で行ける名所

十二所城跡観光と合わせて訪れたい、周辺の魅力的な観光スポットを紹介します。

道の駅おおゆ

十二所城跡から車で約15分ほどの場所にある道の駅おおゆは、十和田八幡平国立公園の玄関口に位置し、観光情報の発信拠点であると共に、地元の特産品やお土産を豊富に取り揃えています。足湯施設も併設されており、旅の疲れを癒せます。

十和田湖(とわだこ)

十二所城跡から車で約1時間ほどの場所に位置する十和田湖は、青森県と秋田県にまたがる神秘的なカルデラ湖です。四季折々の美しい景観が楽しめ、特に新緑と紅葉の時期は多くの観光客で賑わいます。

大湯温泉(おおゆおんせん)

十二所城跡から車で約10分ほどの場所にある大湯温泉は、古くから湯治場として栄えた歴史ある温泉地です。豊かな自然に囲まれ、泉質の異なる複数の源泉を楽しめます。日帰り入浴が可能な温泉施設も多いので、城跡散策の後に立ち寄ってみるのも良い考えです。

ご当地の味とおすすめ店:城の近くで楽しめる食事&喫茶店

十二所城跡観光の後は、地元ならではの美味しい食事を楽しみましょう。

比内地鶏料理を堪能

十二所地域も、秋田を代表するブランド鶏である比内地鶏の産地に近いため、比内地鶏を使った様々な料理を味わえます。香ばしい比内地鶏の焼き鳥や、鶏の旨みが凝縮された親子丼は、ぜひ味わってほしい一品です。大館市街地まで足を伸ばせば、比内地鶏の専門店が数多く見つかります。

地元の旬の食材を活かした料理

米代川の恵みを受けた川魚料理や、周辺の山で採れた山菜を使った料理など、地元の旬の食材を活かした料理を提供するお店も多いです。道の駅や温泉地の食事処などで、地元の味覚を楽しめます。

静かな喫茶店で一息

城跡散策の途中で一息つきたい時には、周辺の温泉地や道の駅にある喫茶店で休憩するのも良い考えです。地元の特産品を使ったスイーツを提供する店や、こだわりのコーヒーを楽しめる店など、個性豊かな喫茶店が点在しています。

周辺名所への行き方:徒歩何分/交通手段などの簡潔な案内

道の駅おおゆ

十二所城跡から車で約15分。国道103号線沿いに位置します。

十和田湖

十二所城跡から車で約1時間。国道103号線や282号線を経由します。

大湯温泉

十二所城跡から車で約10分。国道103号線沿いに位置します。

まとめ:初心者にもおすすめの理由、旅の秘訣

十二所城跡は、天守などの建造物はありませんが、その広大な敷地と、そこから見下ろす米代川の絶景が魅力です。かつての山城の面影を残す空堀や土塁は、当時の歴史の重みを静かに伝えています。

また、十二所城周辺には、美しい自然が広がり、道の駅や温泉地など、旅の途中で立ち寄れる魅力的なスポットが点在しています。十和田湖や大湯温泉といった、秋田を代表する観光地へのアクセスも良好なため、これらを組み合わせて旅の計画を立てるのも良いでしょう。地元の美味しいグルメも、旅の楽しみを一層深めてくれます。

どの季節に訪れても、その時々の美しい自然と歴史の調和を感じられる十二所城跡への旅は、きっとあなたの心に残る素晴らしい時間となるに違いありません。

この記事を読んでいただきありがとうございました。

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