岡崎城で家康公の生誕地を巡る旅

戦国時代のお城 一覧

愛知県岡崎市に位置する岡崎城は、徳川家康公が生を受けた地として、多くの歴史愛好家から親しまれています。現在は「懐古園」として整備され、雄大な天守閣が再建され、当時の面影を現代に伝えています。広大な敷地内には、家康公ゆかりの史跡が点在し、歴史散策を満喫できます。名鉄東岡崎駅から徒歩圏内というアクセスの良さも魅力の一つです。岡崎城で、天下統一の礎が築かれた地を訪れ、徳川家康公の偉業と、城の歴史の深さに触れてみてください。


お城の歴史:誰がいつ築き、どんな役割を果たしたか

岡崎城の歴史は、室町時代にまで遡ります。もともとは明大寺城として築かれ、後に西郷氏が居城としました。天文11年(1542年)、この地で松平広忠の子として、後の徳川家康公が誕生しました。岡崎城は、家康公が幼少期を過ごし、後の天下統一への出発点となった、まさに「聖地」とも言える場所です。

家康公は幼少期を苦難の中で過ごしますが、やがて今川氏や織田信長との関係を経て、自立への道を歩み始めます。永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いの後、今川氏から独立した家康公は、この岡崎城を拠点とし、三河統一を進めました。家康公が天下統一への道を歩む上で、岡崎城は重要な足がかりとなる居城でした。

天正18年(1590年)、家康公が豊臣秀吉の命により関東へ移封されると、岡崎城には田中吉政が入城しました。吉政は城郭の改修や城下町の整備を行い、現在の城の基礎を築いたとされます。関ヶ原の戦い後には、徳川譜代大名が城主となり、城は代々引き継がれていきました。その一方で、江戸時代を通じて天守が大規模に改築されることはありませんでした。

明治維新後の廃城令により、岡崎城は取り壊されることとなりました。だが、市民の保存運動によって、石垣や堀の一部は残されたのです。昭和34年(1959年)には、家康公生誕の地としての歴史的価値を重視し、現在の三層五階の天守閣が再建されました。この天守閣は、史実に基づいたものではありませんが、岡崎市の象徴として親しまれています。岡崎城は、戦国の激動から江戸の泰平、そして現代へと移り変わる日本の歴史を見守り、今もなお多くの人々に愛される場所です。


見どころ紹介:空堀、土塁、郭跡などの特徴と魅力

再建された天守閣:岡崎のシンボル

岡崎城の最大のシンボルは、昭和34年(1959年)に再建された三層五階の天守閣です。歴史的な文献や絵図に基づき、往時の姿を想像して建てられました。天守閣の内部は資料館となっており、徳川家康公の生涯や、岡崎城の歴史、武具や甲冑の模型などが展示されています。最上階からは、岡崎市内を一望でき、遠く三河湾まで見渡すことも可能です。家康公が幼い頃に見たであろう景色を、現代の視点から眺めることができます。

本丸・二の丸跡:広大な敷地の散策

岡崎城は、広大な敷地を持つ城であり、本丸や二の丸といった郭(曲輪)の跡が、現在も当時の面影を残しています。これらの郭跡は、岡崎公園として整備され、市民の憩いの場となっています。広々とした空間を散策しながら、かつて御殿や兵舎が建ち並んでいた頃の城の様子を想像すると、歴史のロマンを感じられます。特に、本丸跡の石垣は、当時の堅固な防御を今に伝える貴重な遺構です。

空堀と土塁:防御の工夫を示す遺構

岡崎城には、かつて敵の侵入を防ぐために設けられた空堀や土塁の跡が残っています。これらの遺構は、城が築かれた当時の防御の工夫を知る上で重要な手がかりとなります。特に、深い空堀の跡は、当時の城の堅固な守りを物語っています。土塁は、敵の攻撃から身を守るための盛り土で、城内を巡ることで、防御施設の配置やその規模を体感できます。

岡崎城には、再建された門や櫓も複数あります。大手門は、城の正門にあたるもので、その堂々とした姿は訪れる人々を迎えます。また、東隅櫓は、かつての櫓の姿を再現したもので、城の防御の一翼を担っていたことがわかります。これらの建物は、当時の建築様式を学ぶ上でも貴重な存在です。

石垣:多様な積み方と時代を越えた存在感

岡崎城の石垣は、築城されてから長い年月を経て、様々な改修が加えられてきました。そのため、異なる時代の石垣の積み方を見ることができます。自然石を巧みに組み合わせた野面積みや、石を加工して隙間なく積み上げた布積みなど、石垣の多様な表情に注目してみるのも面白い発見があります。一つ一つの石に刻まれた歴史を感じながら、城郭の堅固さを体感してください。


映える撮影スポット:人気の撮影場所や時期・時間帯のおすすめ

天守閣の全景:岡崎のシンボルを美しく捉える

岡崎城の天守閣は、岡崎のシンボルとして最も映える撮影スポットです。公園内の芝生広場や、堀越しに天守閣全体を捉えるアングルが人気です。特に、青空を背景にした天守閣は、その雄大さが際立ち、力強い一枚を撮影できることでしょう。夕暮れ時には、ライトアップされた天守閣が幻想的な雰囲気を醸し出し、昼間とは異なる表情を見せます。夜間の撮影は、三脚を使用するとより鮮明な写真を撮れます。

桜と天守閣の共演:春の絶景

岡崎公園は、愛知県内でも有数の桜の名所として知られます。春には、約800本の桜が園内を彩り、再建された天守閣とのコントラストは息をのむほど美しいです。特に、桜並木と天守閣を一緒に捉えるアングルは、多くの観光客に人気があります。満開の時期には、夜桜のライトアップも行われ、幻想的な夜の城の姿を撮影することが可能です。朝早い時間帯は、人が少なく、落ち着いて撮影できるでしょう。

紅葉と天守閣の調和:秋の彩り

秋には、岡崎公園内の木々が色づき、紅葉と天守閣の調和が美しい景観を生み出します。赤や黄色の葉が、天守閣の白壁や瓦と織りなす色彩は、日本の秋の美しさを感じさせるものです。特に、紅葉がピークを迎える時期には、多くの人が訪れます。

堀と石垣の水鏡:水面に映る城の姿

岡崎城の周囲には、当時の面影を残す堀があります。堀の水面に、天守閣や石垣が映り込む「逆さ城」は、美しい撮影スポットの一つです。風のない穏やかな日には、水面が鏡のようになり、幻想的な写真を撮ることができます。特に、朝早い時間帯は、水面が静かで、より鮮明な水鏡を撮影できる可能性が高まります。

龍城神社と天守閣:歴史と信仰の融合

岡崎城内に鎮座する「龍城神社」は、徳川家康公を祀る神社です。神社の鳥居や社殿と、その奥に見える天守閣を一緒に捉えるアングルは、歴史と信仰が融合した岡崎城ならではの風景を表現できます。特に、初詣や七五三の時期など、行事がある際には、賑わいのある写真が撮れるでしょう。


現地体験:博物館見学、歴史散策、地域の催し物など

岡崎城天守閣内部の資料館見学

岡崎城を訪れたなら、再建された天守閣の内部を見学することは必須です。天守閣の内部は資料館となっており、徳川家康公の生涯、岡崎城の歴史、そして当時の武具や甲冑の模型などが詳しく展示されています。家康公が天下統一を成し遂げるまでの道のりや、岡崎の地との深いつながりを学ぶことができます。最上階からの眺望も、ここでしか味わえない体験です。

三河武士のやかた家康館で歴史に浸る

岡崎公園内には、「三河武士のやかた家康館」があります。この施設では、徳川家康公と彼を支えた三河武士たちの歴史を、映像や展示、体験を通して学ぶことができます。特に、甲冑の試着体験や、火縄銃の模擬射撃体験など、参加型の展示も充実しているので、歴史をより身近に感じられます。子どもから大人まで楽しめる工夫が凝らされています。

龍城神社への参拝と御朱印集め

岡崎城の本丸跡に鎮座する「龍城神社」は、徳川家康公を祀る神社です。家康公生誕の際に、城中に龍が昇天したという伝説に由来する神社です。参拝して家康公の武運にあやかるのも良いでしょう。社務所では、家康公ゆかりの品々や、特別な御朱印を授かることができます。御朱印集めをしている方には、ぜひ訪れてほしい場所です。

岡崎公園の散策と四季の移ろいを楽しむ

岡崎城は、広大な「岡崎公園」の中にあります。公園内は美しく整備されており、散策を楽しむのに最適な場所です。春の桜、夏の緑、秋の紅葉など、四季折々の風景を眺めながら、ゆっくりと時間を過ごすことが可能です。公園内にはベンチや休憩所も整備されているので、疲れたら一息つくこともできます。家康公の産湯の井戸や、東照公産湯の井戸など、家康公ゆかりの史跡を巡る散策コースも楽しめます。

岡崎市美術博物館で文化に触れる

岡崎公園から少し離れますが、岡崎市内には「岡崎市美術博物館」があります。岡崎ゆかりの美術品や、歴史に関する企画展などが開催されることがあります。歴史だけでなく、岡崎の文化にも触れたい方におすすめの場所です。

岡崎の祭りやイベントへの参加

岡崎市内では、年間を通して様々な祭りやイベントが開催されます。特に、春の「家康行列」や、夏の「岡崎城下家康公夏まつり」など、家康公ゆかりの行事では、武者行列や花火大会などが行われ、多くの観光客で賑わいます。訪れる時期に合わせたイベント情報を事前に確認し、参加してみるのも良い思い出になります。


交通手段:電車・乗合自動車・車での行き方、最寄り駅など

電車を利用した便利なアクセス

岡崎城へのアクセスは、名鉄名古屋本線「東岡崎駅」またはJR東海道本線「岡崎駅」が最寄りの駅です。

  • 東京方面から:名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線の特急に乗車すると、東岡崎駅までおおむね30分程度で到着します。JR名古屋駅からJR東海道本線を利用する場合、岡崎駅までおおむね30分から40分です。
  • 東岡崎駅から: 東岡崎駅から岡崎城(岡崎公園)までは徒歩でおおむね15分から20分程度です。駅の北口を出て、乙川沿いを東へ進むと城が見えてきます。
  • 岡崎駅から: 岡崎駅から岡崎城(岡崎公園)まではやや距離があるため、乗合自動車の利用が便利です。名鉄バス「岡崎駅」バス停から「康生町」または「岡崎公園前」方面行きのバスに乗車し、「岡崎公園前」バス停で下車してください。乗車時間はおおむね10分から15分となります。

電車でのアクセスは非常に便利で、名古屋方面からの日帰り旅行にも最適です。

乗合自動車を利用した移動

岡崎市内を巡る乗合自動車は、岡崎城へのアクセスにも活用できます。特にJR岡崎駅から岡崎城へ向かう場合や、周辺観光地へ移動する際には便利です。

  • 岡崎市街地循環バス:市内主要施設を巡回するバスです。岡崎公園へも停車します。

乗合自動車の運行情報は、事前に各社のウェブサイトで確認してください。

車を利用したアクセスと駐車場情報

自家用車やレンタカーで岡崎城へ向かう場合、東名高速道路の岡崎インターチェンジが最寄りのICです。岡崎インターチェンジからは、おおむね10分から15分で岡崎城周辺に到着します。

懐古園には、有料駐車場が複数あります(懐古園市営駐車場など)。収容台数に限りがあるため、特に桜の時期やイベント開催時には混雑が予想されます。早めの到着をおすすめします。駐車場から岡崎城までは徒歩で移動することが可能です。

公共交通機関と車の両方でアクセスがしやすいので、訪れる方法を自由に選べます。


周辺の観光名所:徒歩・公共交通で行ける名所

岡崎城観光と合わせて、周辺の魅力的な観光名所も訪れてみてください。岡崎市内には、家康公ゆかりの地や、歴史、文化、自然を満喫できる場所が多数あります。

八丁味噌の郷:伝統の味に触れる

岡崎城から徒歩圏内(おおむね15分から20分)にある「八丁味噌の郷」は、伝統的な八丁味噌の蔵元が集まる地域です。見学コースでは、大きな木桶で熟成される八丁味噌の製造過程を見学でき、試食も楽しめます。直売所では、できたての八丁味噌や関連商品を購入することが可能です。味噌蔵の独特の香りと、歴史を感じさせる建物は、岡崎ならではの体験となります。

岡崎市美術館:芸術と文化の空間

岡崎公園から徒歩圏内(おおむね10分)にある「岡崎市美術館」は、岡崎ゆかりの芸術家の作品や、国内外の様々なジャンルの美術品を展示しています。企画展も定期的に開催されるので、訪れる時期によって異なる芸術に触れることができます。歴史散策の合間に、静かに芸術を鑑賞するのも良いひとときです。

龍頭山大樹寺:松平家・徳川将軍家の菩提寺

岡崎城から車でおおむね10分から15分の場所にある「龍頭山大樹寺」は、松平家および徳川将軍家の菩提寺です。家康公が桶狭間の戦いで敗れ、自害しようとした際に、この寺の住職から諭され、再起を誓ったという逸話が残されています。歴代将軍の位牌が安置されており、その奥に並んだ位牌を通して、岡崎城の天守閣が見えるという「ビスタライン」も有名です。歴史の深さを感じる場所です。

伊賀八幡宮:家康公が戦勝を祈願した神社

岡崎城から徒歩おおむね15分程度の場所にある「伊賀八幡宮」は、徳川家康公が戦勝を祈願したことで知られる神社です。境内には、家康公が腰掛けたとされる「腰掛石」や、当時の面影を残す建造物が点在しています。静かで厳かな雰囲気の中で、家康公の信仰に触れることができる場所です。

東公園:動物園と大きな遊具のある公園

岡崎城から車でおおむね15分から20分ほどの場所にある「東公園」は、無料の動物園や、大きな恐竜の遊具があることで人気の公園です。家族連れで訪れる際に、子どもたちが楽しめる場所としておすすめです。桜や紅葉の時期には、美しい自然も楽しめます。岡崎市は、歴史、文学、自然、そして食の魅力が詰まった場所です。


ご当地の味とおすすめ店:城の近くで楽しめる食事&喫茶店

岡崎城を訪れたなら、愛知県や岡崎ならではの「ご当地グルメ」をぜひ堪能してください。岡崎駅周辺や岡崎公園の近くには、美味しいお店がたくさんあります。

八丁味噌を使った料理:岡崎の伝統の味

岡崎市は、二年間以上熟成させる独特の「八丁味噌」の発祥の地です。この八丁味噌を使った料理は、岡崎の食文化に欠かせないものです。濃厚なコクと風味は、他の味噌とは一線を画します。

  • 味噌煮込みうどん:八丁味噌ベースのつゆで煮込んだうどんは、名古屋めしとしても有名ですが、岡崎でも味わえるお店が複数あります。濃厚な味噌の味が麺によく絡みます。
  • 味噌カツ:揚げたての豚カツに、甘辛い八丁味噌のたれをかけたものです。ご飯との相性が抜群で、観光客に大変人気があります。
  • 八丁味噌おでん:八丁味噌のつゆでじっくり煮込んだおでんです。大根や卵、こんにゃくなどに味噌の味がしみ込み、体が温まる一品です。

八丁味噌の郷にある蔵元直営の食堂や、岡崎市内の居酒屋や食堂で味わうことができます。

岡崎まぜめん:新名物の挑戦

近年、岡崎の新名物として注目を集めているのが「岡崎まぜめん」です。各店舗が趣向を凝らした様々な種類のまぜめんを提供しており、食べ比べを楽しむことができます。ピリ辛の味付けや、八丁味噌を使ったものなど、お店によって個性があります。食べ歩きにも適した一品です。

  • 岡崎市内のラーメン店や、食事処で提供されています。

額田の鮎:清流の恵み

岡崎市南部の額田地区は、清流が流れる自然豊かな場所で、鮎の養殖も盛んです。夏から秋にかけては、新鮮な鮎料理を味わえるお店があります。塩焼きや鮎めしなど、清流の恵みを堪能してください。

  • 額田地区の道の駅や、地域の料理店で提供されることがあります。

地酒・日本酒:岡崎の銘酒を味わう

小諸には、酒蔵やワイナリーがあり、地元の美味しいお酒も楽しめます。食事と一緒に、地元の「地酒」や「信州ワイン」を試してみるのも良い経験です。

  • マンズワイン小諸ワイナリー:ワイナリーで直接ワインを購入したり、試飲できる場合があります。

 

周辺名所への行き方:徒歩何分/交通手段などの簡潔な案内

八丁味噌の郷への行き方

岡崎城から徒歩でアクセスできます。

  • 徒歩:岡崎城から西へおおむね15分から20分。
  • 乗合自動車:岡崎公園前から八帖町方面のバスに乗車し、「八帖町」下車。

岡崎市美術館への行き方

岡崎城から徒歩でアクセスできます。

  • 徒歩:岡崎城から北へおおむね10分。岡崎公園内にあります。

龍頭山大樹寺への行き方

岡崎城からは車または乗合自動車でアクセスします。

  • 車:岡崎城周辺から車でおおむね10分から15分。
  • 乗合自動車:岡崎公園前から寺方面のバスに乗車。

伊賀八幡宮への行き方

岡崎城から徒歩または乗合自動車でアクセスできます。

  • 徒歩:岡崎城から南へおおむね15分。
  • 乗合自動車:岡崎公園前から北方面のバスに乗車し、「伊賀町」下車。

東公園への行き方

岡崎城からは車または乗合自動車でアクセスします。

  • 車:岡崎城周辺から車でおおむね15分から20分。
  • 乗合自動車:岡崎駅から東公園方面のバスに乗車。

これらの周辺観光名所への移動手段を把握し、効率の良い旅の計画を立ててください。


まとめ:初心者にもおすすめの理由、旅の秘訣

岡崎城は、徳川家康公が生誕したという歴史的な背景を持つ、非常に魅力的な城跡です。再建された天守閣は岡崎のシンボルとして親しまれ、内部の資料館では家康公の生涯や城の歴史を学ぶことができます。駅から徒歩圏内というアクセスの良さも、観光客にとって大きな魅力です。

旅の秘訣は、天守閣からの眺望を楽しんだ後、三河武士のやかた家康館で歴史を深く知ることです。また、八丁味噌の郷で岡崎の伝統的な食文化に触れたり、季節ごとのイベントに参加したりするのも良い経験になります。岡崎の歴史と文化、そして美味しいご当地グルメを存分に満喫する旅を計画してください。

この記事を読んでいただきありがとうございました。

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